模試と合格可能性判定の舞台裏 その2

前回は,[ ランキング ]には2種類ある … ということ,そして,[ ランキング ]の成績に達した場合の合格率は 70 〜 80 %程度であり,合格ギリギリのライン(合格率・合格可能性 50 %の成績位置)は,もっと低い位置にあること等を解説しました。

(《 合格ギリギリのライン 》とは,合格最低点のことではありません。合格者数と不合格者数が,ちょうど一致する合格率 50 %の成績を表わします。それ以下の成績では不合格者数の方が多くなることに注意しましょう!)
それで,予定通り今回は,模試を受験した後の[ 合格可能性判定(判定値)]について書き出していくことにいたします。
さて,この記事をお読みの受験生の皆さん,[ 合格可能性 C 判定 ]とは何を意味しているのかご存知でしょうか?

実は,[ C 判定 ]という定義そのものが,模試を実施している業者さんによって異なっているのです。合格可能性(あるいは合格率)40 %程度以上を示す場合と,50 %程度以上を示す場合とに大きく分かれています。[ B 判定 ]も,合格可能性(あるいは合格率)60 %程度以上,65 %程度以上を示す場合に分かれています。[ D 判定,A 判定 ]なども同様です。
え? 10 %程度の差なら誤差の範囲じゃぁないか … と思われるかもしれませんが,実際の入試における合否分布を調べてみますと,天と地の差(?)ほどに大きいのです!

[ 合否分布曲線 − 標準モデル ]
実際入試における合否分布は,なかなかに複雑(?)で,簡単にモデル化できるような状況ではありませんが,それでも,大切なポイントが2つあります。

○ 合格率曲線(どんな成績の受験生が何%くらい合格しているのか … を表わしたグラフ)を描くと,合格率はなだらかに変化していくのではなく,合格率 30 % 〜 70 %程度の範囲では,まるで急峻な崖のような印象で急激に変化します。
○ センター試験の場合,得点率が約 1 %アップするごとに,合格率は約 10 %ほど上昇します。

上記はあくまでも《 標準モデル 》ですが,例えば,東北大学の多くの学部学科では,センター試験の得点が 1 点程度( 900 点満点)異なりますと,順位は約 10 番程度上下します。
つまり,
得点率が 1 %アップする … 得点にして 9 点!( 900 点満点 )
⇒ 順位は約 80 〜 100 番程度アップ・ダウンする!

(もちろん,学部学科によりますが … )

ということなのです。とても狭い成績の範囲で順位が急変することになります。募集定員が 100 名程度の学科となりますと,得点率 1 %ほど低かった … というだけで,定員枠の圏外に弾き出されてしまう危険性もあるのです! 2次逆転という戦略も重要ですが,まずは,センター試験でしっかりと得点することが最優先課題であることが分かりますね。

ここで,再度,模試の業者さんによる合格可能性の[ 判定 ]に目を向けてみましょう。
C 判定を合格可能性 40 %,B 判定を合格可能性 60 %と設定している模試では,合格可能性 50 %という《 合格ギリギリのライン 》は,C 判定下限と B 判定下限のちょうど中間に位置することとなります。他業者さんの合格可能性判定結果と比較する場合には,[ 合格可能性 50 %ライン ]を求めてから比較しなければなりませんので,計算して求める必要があります。

また,どの模試でも B 判定・D 判定という成績ラインは,本来ならばセンター試験の得点にして,それぞれ約 1 %ほど上位・下位に設定すべきなのですが,一般的には,もっと上位に・もっと下位に設定されている( C 判定の範囲が広い!)ため,合格可能性判定結果を《 読む 》のは,実はとても厄介なことなのです。

では,もっと適切な指標(合格可能性を判定できるもの)はないのか? という疑問が出てきます。結論的には,模試成績表に印字されている《 順位 》… 志望校の学科欄に印字されている,その時の模試における,その学科の志願者数に対する順位の数値が,最も重要な指標となります。

○ 順位が志望者数の 1/3 程度以内に入っていれば,合格可能性は 50 %を超えます。
○ 順位が志望者数の 1/2 程度前後であれば,合格可能性は 30 %程度となります。
○ 順位が志望者数の約 1 割以内であれば,合格可能性は 80 %程度となります。

つまり,志望者数の 1/3 程度以内の順位となるように頑張ることが重要といえますね。

次回は,模試において,どれくらいの[ 判定 ]が出れば受験の[ GO サイン ]と考えてよいのか … という点について解説していく予定です。

投稿者プロフィール

繁泉 祐幸
繁泉 祐幸
東北大学理学部卒。かつては大手予備校・仙台校事務局長として運営全般の責任者を務め、地元テレビ局の番組出演も果たす。本校においては入試情報分析室室長を務め、東北6県の高等学校に赴いて講演活動等を行う。受験に対するモットーは『合格は100%技術である。』

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