大学受験に必須!高校生のための読解力のつけ方

繁泉先生による入試に役立つコンテンツ『YOKEN Success Square』。今回は新入試特別号としまして、大学入学共通テストなど、これからの大学受験に必要な「読解力の養成」に焦点を当てた内容でお届けします。

《 読解力 》とは何か?

“ 読む力 ”,“ 読み込む力 ”,“ 読みとる力 ” … さらには,推論する力,洞察力,思考力等々,連想ゲームのごとくに,考えるほどにドンドンと広がってしまい,結局のところ,すべてが読解力につながり,すべてが読解力である 〜 という具合にまとまってしまいそうになります。
(いえ,それこそが “ 読解力不足 ” である … ともいえるのかもしれませんね。)
そこで,『 大学受験に必須! 』という観点から,高校生のための『 読解力 』…《 読解とは何か? 》+《 力をつけるには? 》について解説していきたいと思います。

[ 読解とは? ]

まず,最も重要なコトが一つ … それは《 受験における読解とは何か? 》ということです。
それは,誰が受験しても,同じ答え(読解内容)になる! という事実です。本来の読解とは,個人によって異なる可能性がありますが,入試では,誰でもが同じように(機械的に)読めるはずの内容を出題しているといえます。何故なら,受験における読解とは技術的( Technical )な読解であり,情感的( Emotional )な “ 読み ” ではないからです。入試において,筆者の意見や登場人物に “ 共感したり・反論したりして ” 読んでしまうと,誤答となってしまうことが多いものです。あくまでも,文章(文脈)が示している意味の組み立て …『 構造 』に着目することが重要です。つまり,文章内容を《 構造化 》していくように読解することになります。
(あるいは,筆者がアタマのなかで組み立てていた《 構造 》を,読み手の受験生側のアタマのなかに再構築(再生)していくように読む … という表現も可能です。)
(さらには,機械的に読めないような内容に関する問題は出題しない … ともいえますね。)

そして,技術的読解のためには,やはりある程度までの《 読み方(お作法)》が必要なのですが,たとえば読書量の減少(本を読む習慣のある受験生が少なくなっている!)等々が進んでいるためか,授業を聴いても,問題の解説を読んでも,今ひとつ分かったような分からないような … という中途半端な状態で悩んでいる受験生が多い印象です。もちろん,漢字の読みや熟語の意味などの知識事項については,別枠で習得しておく必要がありますが,ここでは,読解のための《 お作法 》を3つだけ書き出しておきたいと思います。

○ [ 対比(場合分け)]を読み分ける。
☆ 多くの入試問題(現代文)は,一般論やこれまでの通念に対して,筆者が独自の視点や解釈をもって “ 反論 ” していく … というタイプです。そのため,どこまでが一般論 P で,どこからが筆者の主張 Q なのかを,フレーズやキーワードを P と Q とに場合分けしていくことで,読みとっていくことになります。
○ [ 言い換え ]を探す。
☆ 筆者の主張や重要な事柄を明確に表現する場合,言い切り(断言)や抽象的なフレーズや文章となることが多いものです。そして,同時に,具体例を用いて,なんとか読者側が理解しやすいようにと記述していきます。つまり,難解で抽象的な表現を,分かりやすく《 言い換え 》ている部分を見つけることで,文章全体や段落の意味を,より明確に読みとることができます。
○ [ 流れ(論理の流れ,感情・時間の流れなど)]を把握する。
☆ 入試問題では,論理が破綻しているとか,何を言いたいのかさっぱり分からない … というダメな文章は出題されません。シンプルか複雑かを問わず,必ず文章には,論理・感情・時間の流れがあり,それを読みとれるか否か … ということがポイントとなります。一般的には,時間にかかわる言葉( 〜 しつつ,次は 〜 など)や,論理にかかわる接続詞(しかし,したがって 〜 など)に注意して,文章の意味(論理・感情・時間)が,どの文章やフレーズにつながっているのか … ということを読みとることになります。

特にセンター試験などでは,[ 対比 ]と[ 言い換え ]の2項目を把握しただけでも,満点を充分に狙える可能性がありますので,是非とも意識しておいて欲しいアイテムです。
現代文読解の授業や参考書などで,必ず出てくる方法論ですので,きちんと習得しておくように心がけましょう。

[ 力をつけるには? ]

さて,[ 読解 ]の《 お作法 》に続いて,読解の[ 力 ]を養成する戦術として,次の2項目を挙げたいと思います。

○ [ 読書量 ]をふやす。
○ [ アタマの構造化 ](思考回路を造り上げていく)

特に[ 読書量をふやす ]という努力は重要です。前述のように,長い文章を読み慣れていないだけで,対比に気づかなかったり,論理に関わる接続詞を読み流していたり … という事態になりかねません。事実,読書量を意図的に増やしていった先輩方は,読解力はもちろん,考え方も含めて,しっかりとした脳力向上につながっています。表現の幅も広がりますので,今後重要となってくる志望理由書の書き方も含めて,完成度が高くなってきますね。
是非とも,日本文学全集や評論集に載っているようなタイトルの 30 作品以上を読破するように頑張っていきたいものです。
ただ,“ 本を読んだだけで本当に実力がアップするのですか? 読書時間は勉強時間に含めてしまってよいのですか? ” という悩みをお持ちの受験生がいらっしゃるようですが,これは,本当に申し訳ありませんが,30 作品以上の読書量をこなしていくことで初めて実感できる現象のようですので,まずは『 最後まで頑張りましょう! 』という応援に尽きます!

次に[ アタマの構造化 ]は,アタマのなかを可視化していくことが重要なポイントです。
何を考えているのか? ということを,目で見えるように書き出していく … という意味です。

たとえば,上図は,この記事内容の構造を大まかに可視化(見える化)したものです。文章をしっかりと読むことも重要ですが,深く考えたり,まとめたり,アイディアを練ったり … という場合には,図式化してみると,アタマのなかだけで考えを巡らしているだけでは気づかなかったこと等がパッと浮かんだり,ミスに気づいたり,新しい発見ができたりするものです。
シンキングツールという名称で紹介されている図式化方法があったり,マインドマップと呼ばれる方法があったり,KP 法(紙芝居プレゼンテーション)があったり … と,さまざまですが,自分のアタマのなかのイメージに最も近い図式法を探していくことが大切です。

ところで,前図で[ アタマのなかの見える化 ]という枠がありますが,その次につながりそうなアイテム(項目)に気づきましたか?
受験生の皆さんは,学校で日常的に行なっているはずのコトですが …

その“ コト ” が,単なる作業になってしまいますと,実は《 見える化 》にならないのです。自分なりの勉強ですので,自分なりの《 見える化 》にならないと効果が激減してしまうのです。さて,何のコトでしょうか?

答えは『 ノートをとる 』,『 ノートテイキング 』です。
先生が授業で板書したことだけをそのままそっくりノートしても,あとから復習した時,不明や疑問だらけになることってありますよね? 自分で,知識どうしがどのようにつながっているのか,つながっていくのか? という意識をもってノートしていくことが大切なのです。
つまり,それが,アタマのなかで《 考える 》ということそのものなのだといえます。先生の板書をノートする際に,自分の解釈を書き入れる … とか,板書事項でここが分からない … とか,へぇ 〜 初めて知った! とかを,積極的に書き入れていくことで,ノートは内容が深まり,質が高まり,読書で鍛えた読解力と合体することで,前図のような[ 見える化 ]したアタマのなかのマッピング( Mapping )が,イメージできる(あるいは紙の上に描くことができる)ようになります。
これが,[ 構造化 ]の訓練そのものであり,『 学習する 』ことの重要な意味なのだといえるでしょう。
(もちろん,ここで,二分思考や水平思考,放射思考等という技法を持ち込むことにより,さらに[ 構造化 ]は進化していきますが … )

ページ数の関係で(?),まだまだ説明不足のところがありますが,受験勉強にとって最も重要なキーワード群のいくつかをお届けできたのではないかと思っています。
この記事は,これで終了とさせていただきますが,最後まで受験生の皆さまを応援しています!

投稿者プロフィール

繁泉 祐幸
繁泉 祐幸
東北大学理学部卒。かつては大手予備校・仙台校事務局長として運営全般の責任者を務めていたが,本校においては入試分析室・室長として、東北6県の高等学校に赴いて講演活動等を行う。
受験に対するモットーは『合格は100%技術である。』
 著作 『 The 王道 S5式メタ認知型 学習編 』
    『 The 王道 S5式メタ認知型 指導編 』
 (プリパス WEBSHOP 知恵の館文庫)

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