読書のオススメ その2

以前,[ 読書のオススメ ]というタイトルで,読書の重要性を強調いたしました。
しかし,受験生とお話ししていますと,特に理系の方々から,
 読書する時間があったら勉強に費やしたいが …
 理系でも読書は必要なのですか? …
という,ある種の “ 悩み ” のような相談を受けることがあります。

文系,理系を問わず,やはり読書は(てっとり早い?)読解力増強戦術となります。
特に,センター試験が共通テストに変わり,調査書や志望理由書などの《 書類 》の配点化が進んでいる現状ではなおさらです。

 文章なんて,とりあえず読めればいいんでしょ?

 

という声が聞こえてきそうですが,
入試とは,入試の問題文や設問文を,受験生全員が,まったく同じ意味として解釈してくれるはず … ということが前提となっていることに留意したいものです。

つまり,自分は,こう読んだのだから・こう解釈したのだから,それでいいじゃないか?
という論理は成り立たないということです。
この文章はこう言っている,ここまでは言っていない … 等々の細部についても,受験生全員が一致して読めることが求められているのですが,実際には,受験生個人によって,文章の解釈には大きなばらつきがある … というのが率直な印象です。

そして,これまでもこのコラムで触れてきましたが,読解力のベースとは[ 対比,言い換え,流れ(論理,情感,時間)]を《 読みとる 》ということになります。

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実は,その《 読みとる 》時に,いくつかの《 力 》を鍛えていく必要があることが分かってきました。

○ 文章を精読(分析読み)できる忍耐力,長文を読み切る忍耐力
○ 戦争文学や恋愛文学などが出題された時に,その時代の社会的背景や心情変化等々を仮想的にイメージできる力
○ 著者が設定したストーリー(あるいは論理構造)が,どのような《 つながり 》をもっているのかを読みとる力・知る力(《 つながり 》を意識する力
○ 自分ならどのような表現をするのか,どんな展開にしようとするのか … という応用力あるいは転換力
○ 文章を読んで,言葉には表現できないものの,心の奥底で感じるザワザワ感・モワモワ感に気づく力

ざっくりと挙げただけでもこのような《 力 》が,《 読みとる 》時に必須といえます。

特に,最後の “ 心の奥底で感じるザワザワ感・モワモワ感 ” は,フェルトセンス( Felt sense )と呼ばれていて,『 心的意味をもつ身体感覚 』と定義されています。
(問題文のなかに潜むヒントを探索し発見する力に,直接的に結びついている  …  という言い方もできます。)
ただ,この頃,少々心配なことがあります。
それは,このザワザワ感やモワモワ感といえるフェルトセンスを,きちんと感じている受験生,あるいは,この体感覚をなんとかして勉強に利用できないものかと “ 気づいている ” 受験生が,とても少なくなっているのではないか? ということです。
同時に,この実に曖昧に聞こえてしまうフェルトセンスという(心的意味をもつ)身体感覚は,では,どのようにすれば身につくのか? という疑問です。

そうです。読書によって,このフェルトセンスを効率よく鍛えることができるのです。
もちろん,日記やブログを書くことでも鍛えることができますが,入試では(表現力に比べて)読解力を前提とする場面が多いこと,(表現力に比べて)読解力の養成が先んじること等々の経験則から,是非とも
脳力向上のため,成績アップのための[ 読書 ]をオススメしたい
のです!

☆☆☆ 次回は [ 3種の転換 ] の予定です。 ☆☆☆

投稿者プロフィール

繁泉 祐幸
繁泉 祐幸
東北大学理学部卒。かつては大手予備校・仙台校事務局長として運営全般の責任者を務めていたが,本校においては入試分析室・室長として、東北6県の高等学校に赴いて講演活動等を行う。
受験に対するモットーは『合格は100%技術である。』
 著作 『 The 王道 S5式メタ認知型 学習編 』
    『 The 王道 S5式メタ認知型 指導編 』
 (プリパス WEBSHOP 知恵の館文庫)

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