志望理由書の書き方

総合型選抜の出願が始まります。推薦型選抜を含めて [ 志望理由書 ] を書く機会が増えてくる時期です。
高大接続改革をうけて,私立大学のみならず国公立大学の一般選抜でも来年度入試からは 『 志望理由書 』(あるいは,それに類する書類 )の提出が一般化していく印象です。
9月以降,養賢ゼミナールでも,志望理由書の書き方の相談や添削に来校される受験生が多くなります。
大学側がどのような受験生を求めているのか(アドミッション・ポリシー)を読解する力,自分の志望動機をまとめる力,それを文章にする力,自分の下書きを読解し修正する力 … そう考えてみますと,書類の配点化という事態を含めて,志望理由書1枚(あるいは数行程度?)の重要性は,今まで以上に大きく重く感じられることと思われます。

[ 志望理由書 ] は “ 審査書類 ” ですので,何を書くべきなのか? という点においては,やはり 《 形 》 が存在しています。
個性や独自性,協働性,思考力,キャリア観などの 審査ポイント が記載されていない “ 書類 ” は評価が低くなってしまうのです。
では,“ いっぱい詰め込んで ” 書けばよいのか? というのも誤解です。
(自分をしっかりと表現したくて,書きすぎて,詰め込みすぎてしまう受験生が多くいらっしゃいますね。)

[ 志望動機3種 ]

大学に対する志望動機 : なぜ,その大学なのか ?
学部学科に対する志望動機 : なぜ,その学部学科なのか ?
◯ 社会貢献像・キャリア観 : 自分の未来に対する志望動機

今回は [ 志望動機3種 ] について簡潔に解説していきたいと思います。

まず 『 大学に対する志望動機 』 です。
多くの場合には “ 成績 ” というある種の制限枠がありますので,なぜ,その大学を目指そうと(受験しようと)するのか? については,“ だって成績的にもちょうどいいと思ったから … ” というのが本音かと思われます。
しかし,大学側は 『 なぜ 』 我が大学を受験しようと考えたのか? という 《 答え 》 を明確に持っているのか(意識しているのか) … というところにポイントを置きます。

かつて 『 自然豊かな環境にある貴大学を … 』 と面接で答えたところ,『 田舎って言ってもらっていいんだよ(笑)。その方がこちらもありがたいから … 』 と反撃(?)された受験生がいらっしゃいました。
美辞麗句や抽象論を並べるのではなく 『 自分は田舎出身なので … 』 とか 『 田舎暮らしに憧れていて … 』 という表現の方が,大学側にとっては嬉しいようです。
もちろん,大学で学べる内容や,どんな活動を行なっているか等々( ユニバーシティ・アイデンティティー )をきちんと調べ,それらを組み込むことが重要です。
(ただし,字数制限のために,大学に対する志望動機を書き込む余裕がない場合には,次の学部学科に対する志望動機を優先させた方がよいでしょう。)

次は 『 学部学科に対する志望動機 』『 自分の未来に対する志望動機 』 です。
一番 “ 厄介 ” な部分です。具体性がなく抽象論だけになってしまったり,硬い表現になってしまったり,実は矛盾した文章になっていたり … 確かに,なぜ法学を学びたいのか,なぜ看護を学びたいのか? と問われても,それは自分がやりたいと思ったからということになりますので,それを “ 論理的に ” といわれても悩んでしまうわけですね。
大切なことは [《 きっかけ 》 ⇒ 《 発展 》 ⇒ 《 一般化・社会化 》] という 《 形 》 に乗せること です。
特に,なぜ(例えば)法学を,看護を学びたいと考えるようになったのか? という 《 きっかけ 》 となった事柄,すなわち 自分の経験値(経験談,具体例)を簡潔にまとめることが大切です。
そして,受験期になって志望校を考えた時,その 《 きっかけ 》=《 夢 》 を実現できるのは ◯◯ 学部 ◯◯ 学科であり,将来的には(例えば)“ 法律で人を救う仕事 ”,“ 看護師になって人を救う仕事 ” に就きたい・研究したい・社会で活躍したい … という具合に,自分の将来像を 《 発展 ⇒ 社会化 》 させていくことで [ 流れ(ストーリー)] を組んでいくようにします。

素晴らしい 《 きっかけ 》 を持っているのに,それを書かなかったり,こういうことを研究したい! という細かい部分に焦点を当てすぎたり … という “ 志望理由書 ” があり,受験生の本当の [ 思い ] が伝わりにくいケースが多いようです。

自分の 《 夢 》 と,大学での 《 学び 》 との [ マッチング ] という視点が必要ですね。

☆☆☆ 次回は [ 面接・小論文の対策ポイント ] の予定です。 ☆☆☆

投稿者プロフィール

繁泉 祐幸
繁泉 祐幸
東北大学理学部卒。かつては大手予備校・仙台校事務局長として運営全般の責任者を務めていたが,本校においては入試分析室・室長として、東北6県の高等学校に赴いて講演活動等を行う。
受験に対するモットーは『合格は100%技術である。』
 著作 『 The 王道 S5式メタ認知型 学習編 』
    『 The 王道 S5式メタ認知型 指導編 』
 (プリパス WEBSHOP 知恵の館文庫)

関連記事

  1. 3種の転換

  2. オープンキャンパスは入試に影響する?

  3. 様変わりする入試制度 ~大学入学共通テストを知る~

  4. 講師紹介:入試分析室室長 繁泉 祐幸

  5. 集中力 & 時間管理術

  6. 講師紹介:古文・漢文講師 齋藤 知広