『 伝える力 』とは?

大学入試では,総合型選抜・学校推薦型選抜の定員が増え続け,一般選抜の定員が減り続けています。
そして『 小論文対策 』や『 面接対策 』というワードに触れる機会が多くなってきました。

このコラムでは,これまでに《 考える力 》とは《 つなぐ力 》であり,そのためには,読書などを通して《 気づく力 》を磨くことも大切です … とお伝えしてきました。
さらに,これからの入試においては,これまで以上に自分のアタマのなかをより良く《 まとめる力 》・《 あらわす力(伝える力)》が必要となりそうです。

そこで《 まとめる力 》《 あらわす力 》 …  すなわち 『 伝える力 』 を培うための方策を知ることが重要となってきます。
すでに一部の入試では『 MMI 』なる手法を活用した面接を実施していますが,この MMI 方式を採用する大学は,今後増えてくると考えるのが妥当でしょう。
(これまでは主に医学部の面接等で採用されていた方式ですが,他学部・他学科にも広がりそうな気配です!)

MMI 方式  …  マルチプル・ミニ・インタビュー方式

まず,1~2分間ほど,場面設定や何かしらのテーマ・素材と,それらを踏まえた『 問い 』が記載されているプリントを熟読します。
次に数分間程度の時間で,自分ならどう考えるのか? どのように行動するのか? 等々を明確にした ミニ・プレゼンテーション を行ないます。
(質疑応答があるケース・ないケース,プリントが用意されているケース・口頭試問的なケースといったバリエーションがあるようです。自己 PR を1分間で行なう … という場面も,ある種の MMI 方式と言えそうです。)

当然のことながら,そのプレゼンテーションの内容を評価されることになります。
そこには,いわゆる “ 正解 ” はありません。  “ 正解 ” とは『 あなた自身(考え方,表わし方)』だからです。
つまり,志望理由や将来像などは受験生が事前に “ 準備 ” し,“ 練習・練磨 ” しておくことが可能ですが,MMI 方式では,それが困難です
そして,経験値(人生知?)や議論量が少ない受験生ほど,プレゼンテーションの内容が浅薄になる可能性が大きいため,大学側にとっては選抜しやすい 方法となるのです。

《 伝える力 》を鍛える

実は MMI 方式による面接対策のみならず,従来型の面接対策にも小論文対策にも志望理由書対策にもなる全く同じ《 伝え方 》戦略が,既にあるのです。
(同時に学科試験対策(いわゆる受験勉強のことですが … )でも,その考え方なしでは,問題を解くことができないほどです!)
(ただし,さまざまな領域で(独自に?)開発された戦略らしく,考え方も呼び方も微妙に異なる部分があるのは確かですが  …  )

文章構成法の観点からいえば《 結承結型(段落構成)》といわれます。
プレゼンテーション法の観点からいえば《 PREP 法 》や《 ホールパート法 》が,それに相当します。
いずれの手法も,『 結論 』を冒頭に置くこと が最大のポイントです。
まずはじめに『 結論 』を決める こと  …  すなわち,結論を決めるための 時間配分 と,結論の立て方・導き方 を訓練することが主たる対策となります。

[ 結承結型 ]
まず結論があり,次段落(承)で,なぜそのような結論に至ったのかの理由や具体例を記述します。そして最後の段落で,再び,結論を述べます。
(冒頭段落の結論よりも,最終段落の結論は,やや抽象度が高いほうが理想的です。)

[ PREP 法 ]
Point(結論) ⇒  Reason(理由) ⇒  Example(例) ⇒  Point(結論)

[ ホールパート法 ]
Whole(結論) ⇒  Part(理由や具体例,各論など)

入試で問われる《 伝える力 》とは,[ 結論 ]を考える力 [ 結論にいたる論理(論理一貫性,道筋・ストーリー)]をまとめ,表現する力 であると考えてよいのです。
つまり,あなたの[ 結論 ]は何ですか? なぜ,そのように[ 考えつないだ ]のですか? と,入試ではいつも問われているのですね。

☆☆☆ 次回は [《 結論 》の考え方 ] の予定です。 ☆☆☆

投稿者プロフィール

繁泉 祐幸
繁泉 祐幸
東北大学理学部卒。かつては大手予備校・仙台校事務局長として運営全般の責任者を務めていたが,本校においては入試分析室・室長として、東北6県の高等学校に赴いて講演活動等を行う。
受験に対するモットーは『合格は100%技術である。』
 著作 『 The 王道 S5式メタ認知型 学習編 』
    『 The 王道 S5式メタ認知型 指導編 』
 (プリパス WEBSHOP 知恵の館文庫)

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